| 講義:第一回目 |
 |
 |
| 第一節 鍼 術 |
 |
 |
| 鍼術は針刺し療法ともいいます。中獣医学理論に基づき、動物のツボに針を刺すことによって刺激を与え、神経の活発化を促進することで、疾病の予防が期待されます。通常使用する鍼は毫鍼、円利鍼、三稜鍼、寛鍼、穿黄鍼、火鍼及び挟気鍼です。鍼療法によってツボと方法は違って、鍼刺療法は白針療法、火針療法、血針療法、気針療法、電気針治療、水針療法、埋植療法とレーザー療法などに分けています。異なる刺激源、刺激用量と刺激時間によって、動物に与えられる刺激はそれぞれです。臨床治療での応用は、その都度病状を見極め、治療法を選択しなければなりません。 |
 |
| 一.
鍼具 |
 |
《霊枢経》の中では、古代の九種類の鍼が記載されています。いわゆるめん鍼、円鍼、じん鍼、鋒鍼、ひ鍼、円利鍼、毫鍼、長鍼及び大鍼です。現代獣医学に使われている鍼は、基本的に古代のものと変わりませんが実用性を高めるため、いくつかの変化もみられます。鍼具が鉄か鋼でできているものです。例えば、古代、民間では鉄が主流であったことに対して、現代では、ほとんどステンレス製が使用されています。 |
 |
 |
(一)毫鍼 |
 |
 |
鍼先は鋭利で、鍼身は比較的細く、光沢があり、鍼柄の部分は銅糸或鉛糸で平頭式或盤竜式の方法を錫で熔接、固定します。鍼体の直径は0.64〜1.5mmの間、鍼体の長さは3、4、5、6、9、12、15、20、25、30cmの数種があります。ツボに深く刺す場合の針の長さは20cm以上。必要とされる場合以外の一般的鍼体の長さは6〜15cm、直径1〜1.25mmです。鍼体の直径0.64〜1mmの細鍼は目の部分に使います。 |
 |
 |
(二)円利鍼 |
 |
 |
形状構成は毫鍼と似ています。しかし鍼体はやや太く、鍼先は三角形を呈し、極めて鋭利で、鍼体の太さは2mm、長さは4〜8cm、鍼柄は平頭式或盤竜式である。皮膚が厚く、筋肉が発達している場所に使用されます。 |
 |
 |
(三)三稜鍼 |
 |
 |
古代の鋒鍼方法を採用しています。前鍼身は三角形をしており,後鍼は棒状を呈し、鍼先は鋭利で、太さ、長さにより、大、小2種類があり、玉堂、通関、三江等ツボに用います。 |
 |
 |
(四)寛鍼 |
 |
 |
古代のほう鍼方法を採用しています。鍼先は鋭利で、尖り状を呈し、大きさを大、中、小にわけています。大の寛鍼先の幅は8mm、鍼柄の長さは11cm、馬、牛のけい脉、腎堂、蹄先などのツボから血を出すのに用います。中の寛鍼先の幅は6mm、鍼柄の長さは11cm、馬、牛の帯脉、胸堂、蹄先などのツボから血を出すのに用います。小の寛鍼先の幅は4mm、鍼柄の長さは10cm馬、牛の太陽などのツボから血を出すのに用います。中、小鍼は牛、豚の白鍼ツボにも用います。脉、腎堂、胸堂、蹄頭等ツボに刺すとき、鍼は鍼槌に固定すると操作が便利になります。鍼槌は硬い木で作られ、長さは35cm、槌の真ん中に一本の隙間と鍼孔があります。鍼は孔に入れ、槌身の結び目で固定します。 |
 |
 |
(五)穿黄鍼 |
 |
 |
形は大寛鍼と同じで、鍼の尾部に孔があり,黄腫と吊腫に用います。 |
 |
 |
(六)火鍼 |
 |
 |
古代には燔鍼と称し、現代は一般にステンレスで作られ、鍼先は円鋭利で、鍼体は光滑で、鍼体の直径は1.5〜2mmです。鍼体は3、5、8cm等数種にわけ、柄は木柄、メッキ柄、金属と石綿などの種類があります。 |
 |
 |
(七)挟気鍼 |
 |
 |
この鍼は夾気ツボ専用の鍼です。竹或いは合金でできています。挟気鍼は細長い鍼で、鍼先は円形を呈し、長さは36cm、幅は4〜6mm、厚さは2mmです。竹で出来たものは、熱い植物油をかけることによって、折れにくくなり、強靱になります。 |
 |
 |
(八)その他の鍼具 |
 |
 |
伝統的獣医針の中では、三弯鍼、宿水管、玉堂鈎などがあります。三弯鍼は天穴に刺し、渾晴虫病を治療します。宿水管はお腹に貯まった水を出すのために使い、食欲不振を治します。それ以外にも、現代の治療具として,電動鍼、レーザー、マイクロウェーブなどの器具も準備しておくべきです。 |
 |
| 二.鍼刺前の準備 |
 |
(一)鍼具 |
 |
 |
鍼の使い方によって、適当な針を選び、錆、折れ、曲がり、鈍くなることなどがないかをチェックします。錆が付いた場合、細かい紙やすりで取ります。曲がっている場合は、まっすぐにしてから紙やすりで鋭くし、幅のある鍼は研石で磨きます。鍼本体に破損がある場合は、処分します。 |
 |
 |
(二)安定を保つ |
 |
 |
鍼治療を行う前は、人間と動物の安全確保の観点から、動物の体をしっかり固定することが大切です。小型動物は鼻、耳などの部分を固定することで、安定性が保てますが、大型動物に対しては、檻のスペースを調節することで、安定性が保たれます。頭部治療を受ける場合は頭部を安定させることが大切です。足の治療の場合は、反対側の健康な足を上げます。豚の場合は、網を使用します。犬の場合は伏させる、台に固定します。動物に噛まれないようにするため、口が開かないようにします。 |
 |
 |
(三)消毒 |
 |
 |
| 1,鍼具・・・・・ |
鍼具は煮沸、蒸気によって、消毒されることが望ましいですが、条件が整えない場合は純度75%のアルコールを使っても構いません。鍼を使った後の洗浄、乾燥、消毒、保管も心掛けなければなりません。 |
| 2,ツボの周辺・・ |
動物のツボの周りの毛をきれいに切り取り、ヨードチンキで消毒アルコールで拭き取ってから、鍼治療を行います。作業後、もう一回消毒します。 |
| 3,主治医・・・・ |
鍼治療を行う前に、手術服、帽子、マスクを着用の上、手の洗浄と消毒をします。 |
|